1/24   #1 Guage     45mm B20
ライブ・スチーム

【1】 JNR B20 製作記

Aster Hobby製を使った4作目のキット製作記です。初心者用のキットでしかもブタンガスを燃料に使いますので安定して蒸気を発生、
運転出来ます。

==実物について==
1944年、第二次世界大戦末期に戦時入替用小型蒸気機関車として設計されました。
当時は資材も不足していたこともあり、技術的には徹底し簡略化し、例えば加減リンクを直線にしてしまう、
外観も実用的にする、保守点検もしやすいなどの点で標準化して大量生産しやすいように設計されました。
しかし、製造は終戦を挟んで結局15両の生産のみとなりました。
その後は地方鉄道に貸与・譲渡され、戦後の石炭高騰による費用削減のため御坊臨海鉄道では下回りを
利用して”森ブタ”として名高い森精機により改造されDB2012として活躍したりしました。
右の写真は2004年12月重要文化財に指定された京都・梅小路機関庫に動体保存されているB2010号
機です。


==模型仕様==
1)縮尺・ゲージ   1/24,1番ゲージ、45mm
2)寸法・重量    長さ 302mm,幅106mm,高さ 148mm、重さ2.8Kg
3)ボイラー・弁   センターフル式、103cc、ワルシャトー式2気筒 圧力 3Kg/cm square
4)バーナー     ブタンガス、31cc
5)最小回転半径  0.55m



組         立 手         順
まずはエンジンブロックの組立てです。滑り弁を収めるスチームチェストとシリンダー
上面の面だしをして、ガスケットを介してシリコンボンドで接着し、その後ピストンを挿入、同じようにシリコンボンドでガスケットを介して芯だしをしながら6角ボルトで固定していきます。
ピストンは前後させながら軽く動くように慎重に行います。ピストンクロスヘッドを組み込んだ後、シャーシに排気パイプとともにネジ留めします。
次はバルブギヤの組立です。
クロスヘッド−心向棒-加減リンク-偏心棒を説明書に従って注意深く、順にネジ留めしていきます。通常は弓状の加減リンクは簡易化されて直線です。
加減リンクの滑り子が入る部分はしっかりやすりで面取りをし、グリースを流しておこう。
リターンクランクの仮組立て位置もしっかり確認しましょう。
左写真はシャーシに組み立てられたクランクです。リタ-ンクランクの位置関係と滑り弁位置をしっかり調整した後、蒸気蓋をパッキングします。これに安全弁、給水弁、スーパーヒーター、加減弁などを組み込んだボイラーをシャーシに位置決めし、配管をします。また、シャーシ上にはオイルタンクをを載せ、配管します。
そして、逆転機レバーを吊りリンク腕-逆転腕軸を介して加減リンクに接続します。
動輪を回してスムーズに回転するか確認して配管終了です。
いよいよエアーテストです。
回転部、摺動部には十分油をまわしておきます。私はグリースとコンプレッサーオイルを使っています。
コンプレッサーは電動製ポンプが売っていますが、私は昔ながら今まで通り空気溜め付き自転車空気入れで用を為しています。
モレがないか、ギクシャクと回ることはないかあれば、再調整して臨みます。
ボイラー蒸気管、バーナー関連の組立です。
水位計は上下接続部角度調整と水漏れ対策をシリコンパッキング剤をネジ部などに擦り込むようにして塗り込みます。もちろんノギス、直角定規などを使って正確に行いましょう。
これに圧力計を取り付けます。必要以上ねじ込んでバカにしないよう注意です。
次にボイラー下部にバーナーをボイラー内部とボンベ側に配管をして取り付けます。この後水漏れチェックをして下さい。
これで動作部組立ては終了し、後はサイドタンク、キャブなどを本体に取り付けて
完成です。
縮尺の関係で欧州型よりズングリとした仕上がりとなっています。
さて、いよいよ”火入れ”です。
各バルブ類を閉じ、逆転機レバーをニュートラルにした後、家庭用ガスボンベ、精製水、粘度の低いコンプレッサーオイルを所定量それぞれの場所から入れて、煙室扉からボンベバルブを1/2位あけてライターで点火します。
火力が強いので通風器は必要ありません。5分位すると安全弁からうっすらと蒸気が出てきます。通風弁はありませんので操作は楽です。
圧力が3−4Kg/cm2になってきたら、逆転機を前にし、加減弁を少し開けて車体を押してやると、煙突からドレイン(やけどに注意!)を噴出しながら動輪がまわり始めます。
この時の気分は”なかなか”なものです!写真では試運転用”ボールベアリング製コロ”(市販品)で行っています。

 


                                  


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